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1からnまでの和の値はどうなるの?

今回は自然数の数列a_n(1, 2, 3, …)における1からnまでの和を求めたいと思います。

シグマについて

数学において記号\displaystyle\sumは「総和」を表します。

早速見方を見ていきましょう。

例:\displaystyle\zeta(s)=\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s}

みんな大好きRiemann zeta 関数ですね。

まず注目すべきは\displaystyle\sumの下にあるn=1です。

これは\displaystyle\sumの右にある\displaystyle \frac{1}{n^s}n1から代入していってくださいね、という意味です。

特別な条件がない場合は1, 2, 3, …というように自然数を代入していって大丈夫です。

ではどこまで代入していけば良いのか?それは\displaystyle\sumの上を見ればわかります。

\displaystyle\sumの上には、今回の場合\inftyとあるので、\inftyまで代入していけば良いことになります。

n1から順に代入していくと、\displaystyle\frac{1}{1^s}, \frac{1}{2^s}, \frac{1}{3^s}, …となりますね。

これらを演算子+で繋いであげれば完成です!

これまでのことをまとめると\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s}=\frac{1}{1^s}+\frac{1}{2^s}+\frac{1}{3^s}+\frac{1}{4^s}+…になりますね。

1からnまでの和を計算する

では1からnまでの和を計算していきましょう。

k^2-(k-1)^2について考えていきます。

これを取り上げた理由は後述します。(分かる方も多いと思います。)

k^2-(k-1)^2=k^2-k^2+2k-1
                          =2k-1

上式のk1からnまで代入していきます。

k=1の場合 1^2-0^2=2×1-1

k=2の場合 2^2-1^2=2×2-1

k=3の場合 3^2-2^2=2×3-1




k=nの場合 n^2-(n-1)^2=2×n-1

これらを上から下(1からn)まで足し合わせていきます。

すると

(1^2+2^2+3^2+…+n^2)-\left(0^2+1^2+2^2+…+(n-1)^2\right)=2(1+2+3+…+n)-(1+1+1+1+…)となって

シグマを使って整理すると\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^2-\sum_{k=0}^{n-1}k^2=2 \sum_{k=1}^{n}k-\sum_{k=1}^{n}1という形になりますね。(1)

余談ですが、\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^2-(k-1)^2=\sum_{k=1}^{n}2k-1

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^2-\sum_{k=1}^{n}(k-1)^2=2 \sum_{k=1}^{n}k-\sum_{k=1}^{n}1と解釈しても問題ありません。

ここでは\displaystyle\sumにおける結合則を利用しています。

 
 \displaystyle\sum結合則

 \displaystyle\sum_{k=1}^{n}a_n+b_n=\sum_{k=1}^{n}a_n+\sum_{k=1}^{n}b_nが成立する。 

具体例で考えましょう。

a_n自然数の数列、b_n自然数の数列の項の11つを2乗したものとすると、

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}a_n+b_n=(1+1)+(2+4)+(3+9)+…=(1+2+3+…)+(1+4+9+…)=\sum_{k=1}^{n}a_n+\sum_{k=1}^{n}b_nという感じです。

バラす時は簡単ですが、結合するときに\displaystyle\sumの上と下が揃っていることを確認しましょう。

なぜ \displaystyle2 \sum_{k=1}^{n}k\displaystyle\sum_{k=1}^{n}2k としなかったのかと思うかもしれませんが、

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}2k=2×1+2×2+2×3+…+2×n=2(1+2+3+…+n)= 2 \sum_{k=1}^{n}kとなるので問題ないのです。

まず(1)の左辺を見ていきましょう。

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^2-\sum_{k=0}^{n-1}k^2=(1^2+2^2+3^2+…+n^2)-\left(0^2+1^2+2^2+…+(n-1)^2\right)=n^2となりますね。(2)

次に(1)の右辺。

\displaystyle 2 \sum_{k=1}^{n}k-\sum_{k=1}^{n}1ですが、とりあえず\displaystyle 2 \sum_{k=1}^{n}kはそっとしておきましょう。(-ω- )

ここで1つ公式を導入します。

cが定数の時、\displaystyle\sum_{k=1}^{n}c=ncが成り立つ。  

 [説明(考え方)]

 \displaystyle\sum_{k=1}^{n}c=c+c+c+…+c(cがn個)故にncとなる。   (証明終了) 

これらを踏まえると、\displaystyle\sum_{k=1}^{n}1=n×1=nとなりますね。(3)

ここまでの情報を踏まえると(2), (3)より

(1)の式は

\displaystyle n^2= 2 \sum_{k=1}^{n}k-nとなりますね。

計算していきます。

\displaystyle n^2= 2 \sum_{k=1}^{n}k-n

\displaystyle n^2+n=2 \sum_{k=1}^{n}k

\Bigl(\displaystyle n(n+1)=2 \sum_{k=1}^{n}k\Bigr)

\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k=\frac{n(n+2)}{2}となりますね!やった!

k^2-(k-1)^2を取り上げた理由は、左辺がシンプルな形になり、なおかつ右辺に私たちが求めている\displaystyle\sum_{k=1}^{n}kが現れるからです。

おまけ

お気付きの方も多いと思いますが、k^3-(k-1)^3k^4-(k-1)^4で同じことをしてあげれば…。

ぜひ挑戦してみてください!



追記(4/4):いくつかの改善点があったので修正いたしました。連絡をくださったU氏に感謝いたします。


いつかBernoulli数を使ったこれの発展公式をブログで紹介したいです。